贈りものとしてのフェアトレード商品
このところ、フェアトレード商品を紹介することが多かったので、フェアトレードについて少し。
フェアトレードは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で購入することで、立場の弱い開発途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目指ざす「貿易のしくみ」のことです。
多くの消費者が安価な商品を求めた結果、安い賃金での過酷な労働を開発途上国に強いることになりました。その状況を変えようという取り組みです。…
フェアトレードは一方的に開発途上国を支援するものと思われがちですが、それだけではないと思います。
もし世界中がコストや利益を優先して作られた大量生産の製品ばかりになって、小規模でも丁寧に作られた製品がなくなってしまったら、私たちが健康的な生活を送ることは難しくなるでしょうし、とてもつまらない世界になる気がします。
フェアトレード活動をしている団体には、現地での生産や製造に携わっているところも多く、生産者の健康や自然環境に配慮して有機栽培などを導入していることがほとんどです。そしてそれは、消費者の健康を守ることにも繋がっています。
だから、フェアトレードは私たち自身のためのものでもあります(何より私たちのほとんどが消費者であると同時に労働者でもあるわけですし)。
フェアトレードは一方的なものではなくて、作る人と使う人が思い合い、繋がるためのしくみなのだと思います(そう考えると、開発途上国と先進国という関係でなくても、たとえば同じ国内であってもフェアトレードは成り立ちますね)。どんな商品を買うか、それによって世界が変わることだってあるかもしれません。
そうは言ってもそういう商品は高いし、という方には贈りものにフェアトレード商品を選ぶことをお勧めしたいと思います。
たとえば相手の喜ぶ顔を想像しながら贈りものを選ぶとき、人は幸せな気持ちになるでしょう。そして、贈られた人も、もちろん幸せな気持ちになります。その幸せの一部を生産者におすそ分けできたら、とても素敵なことじゃないですか?
だからフェアトレードと贈りものって、とても親和性が高いと思うのです。自分で日常的に使うにはちょっと高いと思えても、贈りものなら手が届くかもしれません。それがフェアトレード商品であることを相手に伝えれば、フェアトレードという考え方がまたさらに広がることにもなります。
誰かに贈りものをする機会があったら、フェアトレード商品も選択肢のひとつに入れていただけたら嬉しいです。
(写真はナイアードさんからご提供いただいたものを使わせていただきました)
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