猫に学ぶ 生きる力
御嶽山の噴火で火山の噴火は予知できないことがはっきりとわかり、福島の事故では使用済核燃料の取り出しが5年以上遅れると発表され、原発でひとたび事故が起これば収束はむずかしいことが改めてつきつけられる中、鹿児島の川内原発が再稼働されようとしています。命を守る、危険を回避する、という生き物の最も大事な能力が人からは失われてしまったのではないかと不安になります。
うちにいる3匹の猫のうち、1匹が具合を悪くしたことがありました。具合の悪くなった猫は、高い棚に上がってそこから動かなくなりました。普段は上がらないところです。ほとんど何も食べず、トイレに行くとき以外はずっとそこにじっとうずくまっていました。
そして他の2匹は、具合の悪くなった子に一切近づかなくなりました。それどころか、その子のいる部屋に入ることさえも避けているようでした。2匹のうち1匹は、具合の悪い子と兄弟。生まれたときからいっしょで、普段はいつもいっしょにいるのにです。
もちろん理由はわかりませんが、例えば感染症のような危険を避ける本能が働いているんじゃないかと思います。具合の悪かった子が少しずつ回復して元気になってくると、2匹の猫も近づいてくるようになりました。
命を守る、危険を回避するという能力に関して、私たちは猫よりはるかに劣っていると言わざるを得ません。
具合の悪くなった子は、ぐったりとまではいかないけど、ほんとにじっと動かずほとんど何も食べませんでした。これも不調を治すためだったのだと思います。猫は自分で治す方法をちゃんと知っているのです。そしてそのとおり、その子は自分で元気になりました。
家人が心配するので、一応病院には連れて行きました。血液検査をしてこの数値がどうだとか、そんな話はしてくれますが、結局原因はよくわからないし、どうしたら治るのかも教えてくれません。これを飲ませて、とステロイド剤を渡されました。どういう作用のある薬なのかも、それどころかその薬がステロイドであることも説明はされませんでした。もちろんその薬は飲ませていません。
病院に行って具合がよくなるどころか、連れて行かれたストレスをあってか、帰って具合が悪くなるので、それからは病院には行きませんでした。あったかくしてあげたり、玄米クリームをなめさせたり、その子の治る力を少し後押しするだけ。庭から摘んできて差し出したよもぎに、身を乗り出して食いついたのには驚きました。体にいいものがわかってるんですね。
その子は今すっかり元気です。あの頃うずくまっていた棚には、まったくもどってこなくなりました。
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